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「個人」と「役割」の世界! ひでぞう流・近代化論 その3

さて、久しぶりにひでぞう流・近代化論です。

今回は「個人」「役割」によって近代がカタチ作られているぞ!ってことをお話ししたいと思います。

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王様・殿様などいない!

近代社会に王様も殿様もいません。近代社会の大前提、それは一律平等な個人しかいない社会、これです。
完全無欠で100%理想通りの近代社会に上下関係発生し得ないのです。もちろんそんな完全無欠を達成できないので現実は違います。ではなぜ「理想」と「現実」が違ってくるのか? 次で見てみましょう。

近代社会にギャップが生じるワケ

お金が決める、あなたの役割…!

お金…、これは近代社会に欠かせない仕組みでありルールです。
本来お金はあるモノやサービスと交換して使うものです。だから単なる道具です。しかし今の社会はお金にそれ以上の価値を見出だす人がほとんどです。「単なる道具」なんて割り切った捉えかたをする人はそう多くないはずです。だからこそ話がややこしくなります。

ところであるお金持ちがいます。仮にゴールドスミス氏としましょう。氏は莫大な資産があるから働かずに悠々自適です。そんな氏の一日は…、

  • お抱えの執事が起こしにくる
  • お抱えのメイドが作った朝食をとる
  • 出入りの電気屋さんが来て、シャンデリアの修理
  • レストランで昼食
  • 本屋に立ち寄り、本を買う
  • レストランで夕食

今どきこんな絵に描いたようなお金持ちはいないかも知れません。私の将来の夢想像による創作です。
さて、ここで注目すべきこと。氏は多くのサービスを受けましたが、サービスの提供はしていないことです。

誰もが主人で誰もが使用人の社会!

しかしゴールドスミス氏ならぬ我々平凡な市民サービスを受ける側にもなればサービスを提供する側にもなります。
1日、カフェで働いた(サービスを提供した)人が帰りにアロママッサージのサービスを受ける、こうして社会は回っています。

そのサービスのやり取りはお金という仕組みによってなされます。それも機械的に!だから上下関係や主従関係は発生しません。

小見出しでは便宜的に主人と使用人と言いましたがサービスとお金の交換自体は無機質なやり取りですし、サービスを提供する側は「役割」をこなすだけにすぎません。これが近代社会の本質のひとつです。

しかし、お金持ちは…

先述の通りお金持ちは一方的にサービスを受ける側です。ここに不均衡と歪みが生じます。その不均衡と歪みは常にサービスを受ける人=偉い人みたいな勘違いをお金持ち・平凡な市民の双方に発生させます。

一般人同士がサービスを受けたり提供する状況では、さほど勘違いは発生しません。もし発生してもコロコロと立場が入れ変わりますからね。だから「お互い様」だし「役割に過ぎない」と割り切れます。

しかしお金持ちはサービスを提供する側になることはほとんどありません。だから「偉い人」みたいなことになりがちなのです。いつどんなときでも「サービスを受ける側」というポジションは不変ですからね。

組織の指揮命令系統も、やがて…

組織には目標があります。その目標を達成するために指揮命令系統がありますが、ずっとひとつの組織にいると、いろんな立場の人が勘違いをします。

大雑把に言うと組織には「目標達成の手段を決めて命令する人」「命令されたことをこなす人」しかいません。そういう「役割」が各自に割り振られているに過ぎません。なので本来は「偉い人」や「偉くない人」はいません。目標から見て上流下流か、せいぜいそれだけです。それなのに「偉い人」「偉くない人」が発生してしまう。

組織のなかでも、特に日本の会社組織にその傾向が顕著です。ひと昔前は休日に上司の家の引っ越しを無償で手伝うような「文化」がありました。近代論的な文脈では手伝う必要は全くありませんが日本社会的な文脈では手伝わないとマズイ。非常にマズイ。
今はそんな雰囲気の会社は少ないと思いますが、それは会社組織が少しずつ近代化したことのあかしなのです。

そもそも近代が浸透していない

成人式で必要以上にご活躍の方々の世界では、そもそも近代化が浸透していません。こういう世界では個人や役割のような七面倒臭いことよりも男気(おとこぎ)やセンパイが100倍重要です。

ま、それは良いのですが、彼らは保守的な一面を見せることがあります。ある枠内での先輩後輩関係においてビックリするほど礼儀正しいですからね。

しかし彼らがその礼儀正しさを「部外者の我々」に向けることは皆無です。
繰り返しますが、近代社会において誰が偉い・偉くないはありません。一律平等な個人という概念があるだけです。
しかし「近代の枠外」の人々にそんな理屈は通用しません。彼らにあるのは「自分たちの枠内での礼儀」と「それ以外への無礼」です。そして枠内の序列に忠実なのです。
これでは近代が入り込む余地などありません。

真の近代化は遠いけど…

最初に「王様・殿様などいない!」と断言するところから始まった今回の近代化論。そんな今の世の中ですがお話しした通り一筋縄ではいかない事情がたくさんあります。しかしそれでも近代化は浸透してきました。昔はもちろん今もまだ真の近代化に向かう過渡期だと思います。

私は近代化バンザイ論者です。当然近代化の弊害もありますが大局的に見れば社会はもちろん、その他のものごとも近代化すべきと考えています。

まとめ

  • 真の近代化達成には課題山積だぞ!
  • 近代社会にあるのは上下関係ではなく役割関係だぞ!
  • 「役割の固定化」が非近代をもたらすぞ!
  • 誰もがセンパイには勝てないぞw

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