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ゲマインシャフトとゲゼルシャフト ひでぞう流・近代化論 その2

さて、ひでぞう流・近代化論・その2です。
ドイツの社会学者テンニースは「ゲマインシャフト」と「ゲゼルシャフト」という2つの概念を提唱しました。これは近代化を語る上で外せないキーワードです。

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冴え渡る2つの概念!

しかしこういう概念をズバリ提唱して持論を説くってカッコイイですよね!
何よりわかりやすいし、今まで気が付かなかったことを見事なまでに意識化させてくれます。

さて、それらをざっくり分けるとこんな感じになります。

◆ゲマインシャフト≒基礎的集団(便宜的に仲良し集団と呼びます)

  • 家族
  • 友人
  • 村落社会
  • 民族
  • 元々そこにあった集団(血縁、地縁)
  • 地域的
  • 仲良しクラブ的で特に目的はない
  • いちいち根拠を求めない(アナタを信じるわ!)。
  • 温かい
  • ときに面倒くさい

 

◆ゲゼルシャフト≒機能的集団(便宜的に利益集団と呼びます)

  • 企業
  • 社会
  • 都市
  • 国家
  • 元々は無かったが、ある目的の為に作られた集団
  • 非地域的
  • 機能や利益(仕事)に徹する
  • 全てに根拠を求める(エビデンスをお出しッ!)。
  • 冷たい
  • ドライでサバサバ

ゲマインシャフト(仲良し集団)ホッとする家族や仲間、村の人たちの集団で、ゲゼルシャフト(利益集団)は会社のように利益や機能を追求するための集団です。
テンニースは社会の進歩発展でゲマインシャフト(仲良し集団)からゲゼルシャフト(利益集団)に移り変わっていきますよって理論を打ち立てたんですね。

これ、前回の感覚から数値と規格へに通じるものがあります。人間の集団もそうなってきたのです。もとはみんなで仲良しクラブ的に生活していましたが、それは非効率なことに気が付いたのです!

不向きでも、嫌いでも…

家族や友人・村人って単位で生活していたころは、ほとんどがその中で足りていました。もちろん村の外との交流や交易もありましたが、基本的に村の中で生産して消費するサイクルでした。

家族で商売するのもそうです。
お父さんが小麦粉をこねてパンを焼き、お母さんが店先で売る。悪ガキのひでぞうはお手伝いをしたり近所に配達に行く。いわゆる家内制手工業です。

しかし必ずしもお父さんがパンを美味しく焼けるとは限らないし、お母さんが販売上手とも限らない。
ひでぞうは配達を投げて遊びに行ってしまうし。
その仕事の向き不向きや好き嫌いがあっても、家族経営だとどうしようもありません 。

かくしてゲゼルシャフトの世界へ!

先のウィキペディアには…、

富の蓄積が進み、受注量が増大すると、蓄積した資金で設備投資をし…、

とあります。

富が蓄積されていない状態では向き不向きや好き嫌いがあっても家族内で細々とやるしかないのです。しかし富が蓄積してくると(商売繁盛してくると)設備投資をしたり家族が不得意とする分野を外注できるようになります。

今までは完全にゲマインシャフト(仲良し集団)でやってたところにゲゼルシャフト(利益集団)が入り込んだ瞬間です。血のつながった家族だからとか仲良しだからとかじゃなく機能を外に求めだしたのです。

そして現在では…

多くの人が何の血縁も地縁も無い会社で働いている現状があります。
いま働いている会社に親戚縁者や友だちはいないし(入社してからは別です)、電車で1時間かけて通勤してる人が多いことでしょう。

例えば上京する理由に「就職」があります。縁もゆかりもない東京に仕事のために出てくるのです。この時点で完全にゲゼルシャフト(利益集団)です。

こうして多くの現代人は地縁も血縁もない利益・機能集団でひたすら仕事をするのです。だからこそ現代企業の効率はスゴイ! 最初から「ウチの会社に向いている人、集まれ!」って募集をかけているのですから。

そりゃあ今でこそ当たり前でわざわざ大声で言うことじゃない。だけどかつてのパン屋さんはそうじゃないですからね。
配達が苦手でナマケモノのひでぞうでも、クビにできません。
…これが地縁・血縁の限界です。
機能性や生産性という観点からはマイナスでしかありません。

「富の蓄積」が全てを変える!

ゲマインシャフト(仲良し集団)・ゲゼルシャフト(利益集団)から少し離れますが富の蓄積って重要ですね。今、ふとそんなことに気付きました。
富が蓄積されてくると「これをどうしようか?」って考えに至るんですね、人間は。

富とはお金だけではありません。お金が無かった時代は生産物そのものが富でした(もちろん今でもそうです)。
小麦や米が富として蓄えることができる…、その重要性に気がつくと、湿気に強い倉庫を作ったり数量を管理するようになります。
数量を管理するには記録が必要ですが文字もこうしたなかで生まれたという説があります。
逆に富が蓄積されないと毎日・毎月・毎年同じことの繰り返しですからね。これでは発展の余地はありません。

しかし発展し過ぎると…

前回と同じような論調ですが、完全にゲゼルシャフト(利益集団)になってしまうと機能的ですが冷たくて息苦しくなります。
企業は仕事のための集まりです。だから冷たいも温かいもありません。各自がただ与えられた役割を果たす(自分の仕事をする)ことが求められます。

だけどその集団を構成するのは人間です。
企業もそこら辺の事情もわかっているから、多少の温かさや仕事以外のイベント(飲み会とか)も残しているんでしょうね。

飲み会や慰安旅行の是非はあります。しかし人間の集団である以上、完全無欠の機能体になることはできないし、もしそうなったらかえって非効率になる可能性もあります。

また、そんな昨今ですからゲマインシャフト(仲良し集団)の象徴のような寅さんの世界がいつまでも必要とされるのではないでしょうか。
便利な世の中だけど、みんな「近代」に疲れ切っているのかも知れません。

まとめ

  • ゲマインシャフト(仲良し集団)からゲゼルシャフト(利益集団)にシフトするのが近代化だぞ!
  • テンニースはテンニエスと言うこともあるよ!
  • ゲマインシャフト(仲良し集団)は向き不向きに関係無いから残酷な場合もあるぞ!
  • 富の蓄積で豊かになるのはもちろん、文明をも作り上げるぞ!
  • ゲマインシャフト(仲良し集団)とゲゼルシャフト(利益集団)のバランスが重要だぞ!
  • エビデンス出せ出せっていぢめないでよ!!

 

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