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ホッブズの世界観はスゴいぞ! ひでぞう流・近代化論 その7

今回は歴史の偉人・ホッブズです。

トマス・ホッブズ(ThomasHobbes,1588年4月5日-1679年12月4日)は、イングランドの哲学者である。

トマス・ホッブズ/ウィキペディア

「あー、なんか世界史の授業のとき、夢のなかで聞いたよな~」って人もたくさんいると思いますが、寝てる場合じゃないんですよ!
なんせこれ、とっても面白いんだから!

さて、そのホッブズですが彼が提唱した概念とともに1600年代の西欧諸国において近代の幕開けとなりました。そしてこの世界に初めて近代的な秩序の概念がもたらされたのです。
たかが言葉・たかが書物、…されど言葉・されど書物です。
そんなわけでホッブズの思想をのぞいてみましょう。

あっ、さっそく居眠りしてるそこのアナタ…、

ウェイクアップ!

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近代的じゃない秩序って何!?

さて、さきほど近代的な秩序と言いましたが、これにはわけがあります。そもそもホッブズ以前の時代にも秩序はあり、無秩序状態だったわけではありません。しかしそこにある秩序は非近代的なものでした。

つまり王侯貴族の支配です。彼らは神から支配を任せられたという王権神授説(おうけんしんじゅせつ)を支配の正当性(=タテマエ)にしていました。
kingship-divine-right-theory-2

その支配によって安定した秩序があったかも知れませんが自由や平等はありませんでした。

ホッブズってどんな人!?

さて、ようやく本題です。

政治哲学者として側面は広く周知され、人工的国家論の提唱と社会契約説により近代的な政治哲学理論を基礎づけた人物として一般的に知られる。政治哲学における主著(というより最も有名な著作)は、『リヴァイアサン』である。

トマス・ホッブズ/ウィキペディア

今回とり上げるのはこの「リヴァイアサン」です。
ホッブズといえばリヴァイアサン、リヴァイアサンといえばFINAL FANTASYホッブズといわれるぐらい有名です。

FINALFANTASYシリーズでおなじみの海の怪物、それがリヴァイアサンですが、ホッブズの言うリヴァイアサンはこうです。

社会契約としての「リヴァイアサン」

万人の万人に対する闘争、キタ━(゚∀゚)━!!

人間は自然状態(=誰にも支配されず、各自がバラバラの状態)において平等です。しかしこの平等には危険に溢れています。なんせ法律も警察もない弱肉強食が支配する世界です。しかし強者とて寝込みを襲われればひとたまりもありません。これは誰ひとり安心できない誰得状態と言えます。

ホッブズはこの誰得状態を…、

万人の万人に対する闘争

…と呼びました。
見事に本質を突いた言葉ですよね!
 それにくらべて誰得状態って何だよ(-_-;)

「ぼ、ぼくはおにぎりが食べたいんだな」

この闘争は永遠に続きます。
たとえば私は目の前にあるおにぎりを食べないと死ぬぐらいお腹が空いていたとします。しかし対面にいるB氏も同じぐらいお腹が空いている。この状況では生きるために相手を倒してでもおにぎりを食べなければなりません。そしてお互いが闘争するのです。

なお、どちらかがおにぎりを食べても争いは続きます。なぜなら人間は「未来のおにぎりも確保しなければならない」のですから。なので私とB氏はまたもおにぎりを巡って争います。

人間の能力は個人間でさほど変わりません。丸腰の人間vsライオンってわけではないのです。なので自然状態において人々は際限なく争わなければなりません。

それじゃあんまりだよね…

…というわけで颯爽と我らがホッブズの登場です!
おにぎりを奪い合う私たちに向かってホッブズは言います「それじゃお互いしんどいから、暴力はいったん無しね」と。

こうして全ての人間から「暴力」を取り上げます。

取り上げた暴力は「国」に預けます。ここでいう「国の暴力」とは警察や軍隊です。これらはただやみくもに暴力を振るうわけではありません。治安の維持などにそれを役立てます。

キッチリ法制度化してお互い安心な仕組みを作りましょう、これがホッブズのブチ上げた理論であり「社会契約」なのです!

ホッブズの人間観と政治思想

人間自体は利己的で欲得だらけだけれど、それを仕組みによって制御してよりよい社会を作ろう! これがホッブズの政治思想・政治哲学です。

人間観は東洋的に言えば「性悪説」にあたりますが、そこを基本として「ではどうするか?」ということです。
そこで出てくるのが法の支配市民社会です。これが近代国家の大きな特徴であり「是」とするところです。

著書名「リヴァイアサン」の意味

万人から「暴力」をとり上げ、それを万人の安全・平和のために行使する、そんな絶対的な力と権力を持った近代国家、…ホッブズは全てを飲み込む大きな怪物=リヴァイアサンを近代国家になぞらえたのです!

まとめ

ひでぞう流・近代化論その7、いかがでしたか?
今回のホッブズ、私が最初にこの思想を知ったときの驚きと興奮は今でも忘れることができません。

ホッブズが生きた当時は呪術的・神秘的な考えが世界を覆っていたのです。この頃の哲学者・科学者はときに迫害され裁判にかけられたりしてるのです。当時こういう説を唱えるだけでも大変だったはずです。

しかしこういう人たちのおかげで今日の近代国家・近代社会があるのです。

  • 念のために言っとくけど、ホッブスではなくホッブズだぞ!
  • ひと口に秩序と言っても非近代的秩序なら自由はないぞ!
  • ホッブズの思想は万人の万人に対する闘争から始まったぞ!
  • 「個人の暴力は認めないッ!」近代社会は国家が暴力を管理してるぞ!
  • 法の支配市民社会、これが近代国家の大きな特徴であり「是」とするところだぞ!
  • 絶対的なチカラと権力を持った国家、それがリヴァイアサンだぞ!

 

ぼ、ぼくはおにぎりが食べたいだけなんだな!

 

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