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アントン・ブルックナー その2

前回では音楽室に肖像画がない大作曲家・ブルックナーを紹介しました。

氷のように冷たい世間の評価
に対し大絶賛する記事を書きました。もちろんその流れは続きます。

ではブルックナーの音楽、何がどれだけ凄いのか?
いよいよ今回はその魅力をお話しします。

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偉大なる環境音楽

ブルックナーの音楽を構成する要素は「素朴」「雄大」「美しさ」「優しさ」、この4つだと思います。更に付け加えるなら「荘厳」とか「崇高」とか「敬虔(けいけん)」もアリですが、私はあえて先の4つを推したいと思います。

逆にブルックナーの音楽に無い要素、それは「人間の葛藤」や「ドラマ」です。だけど多くの人は「人間の葛藤」や「ドラマ」を無意識のうちに音楽に求めます。だからブルックナーの良さがわからない。

なぜなら、ブルックナーの音楽には

元よりそんなものは存在しない

のだから。

美しい大自然のように「ただそこに存在するだけ」の音楽。
これがブルックナーの音楽の本質です。人間の葛藤とか闘いとか、そういうところからかけ離れた音楽なのです。

ベートーヴェン以降の流れ

ベートーヴェンの音楽、それは人生に向き合うための音楽です。
起承転結、波瀾万丈、苦悩から歓喜へ、ベートーヴェンの音楽はその生き様同様、壮絶な人間ドラマそのものです。そのコントラスト、喜怒哀楽の爆発は凄まじい。人間はこれだけはっきりした主義主張を音楽で表現できるのかと驚きます。

この圧倒的存在感を誇る楽聖・ベートーヴェン
音楽史もここで大きく転換しました。ベートーヴェン以前の音楽は王侯貴族が宮廷で楽しむものでしたがそれが一転、激しい主義主張をし始めたのです。
ベートーヴェン以降の作曲家はその影響を大きく受けます
それぞれの作曲家は苦悩、葛藤、闘争、歓喜なんかをその作品に託すようになります。

しかし我らがブルックナーじいさんにそんなものはありません。びっくりするほどマイペース、淡々と我が道を行きます。もちろんその音楽にもそんな人間性が反映されているから面白いものです。

どうしたらブルックナーの魅力がわかるのか!?

好きになろうと思って好きにはなれない、それがブルックナーの音楽です。
これだけ大絶賛・礼賛しといて無責任ですが、それがブルックナーの音楽なんです。
だけど毎日聴いてると、ある日「あっ!」となる瞬間がくるのです。
それも「聴くぞ」と構えて聴くのではなく、読書したり料理したりネットしたりの「ながら」で聴いていると「あっ!」ってなる瞬間がきます(多分)。

でも、その瞬間が来る前に多くの人は断念します。

なんせ単純で繰り返しでつかみどころがない音楽だから。

だけど諦めるのはもったいない。
その瞬間が来るまで、ぜひ期待せずに聴いて欲しい。ながらで聴いて欲しい。身構えるのでなく、身を委ねるそんな聴き方がちょうどいいと思います。

いまだに難解な曲もありますが………

今ではブルックナーの大大大ファンである私も、少しずついいなと思う曲が増えてきた歴史があります。それでもイマイチな曲もあります。
でもいつか良さがわかる日がきっと来る。そんな楽しみと期待があります。

ちなみに私がブルックナーに開眼したのはこちら。

ブルックナー 交響曲第7番 1楽章 カラヤン指揮 ベルリン・フィル https://www.youtube.com/watch?v=REzQxTEfsog

暗めのトーンだけど1楽章が絶品
この雄大さにぜひとも身を委ねてほしい。

まとめ

  • ブルックナーの音楽にドラマや葛藤は無いぞ!
  • 毎日、期待せずにながらで聴いてほしいぞ!
  • 身構えるのではなく、身を委ねる気持ちで聴くといいぞ!
  • ひとりでも多くの人がブルックナーの良さに気付いてほしいぞ!

 

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