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2015年は大乱歩の生誕50周年! ああ愛しの江戸川乱歩!!
今年2015年は江戸川乱歩・没後50周年です。
言わずと知れたミステリー作家・乱歩は畏敬の念を込めて「大乱歩」と呼ばれました。
小学校時代、夢中になって乱歩を読みふけりましたが、大人になった今でも大好きです。
ポプラ社の少年探偵団シリーズ!
小学校の図書館に置いてありましたが、このシリーズが大好きでした。
怪人二十面相が登場するものはもちろん、それ以外の物語もたくさん読みました。
全部で40巻以上あった気がしますが、8割近く読んだと思います。
何が好きか?それは乱歩独特のおどろおどろしい雰囲気です。薄暗い路地や怪しげな西洋館、どこまでも続くかのような高い塀に囲まれた屋敷…、たまにある挿絵が雰囲気を盛り上げてくれます。
小学校時代は「これ、いつごろの時代だろう」と疑問に思いながら読んでいましたが、少年探偵団シリーズが書かれた時期は1936年から1962年にかけてです。戦前から戦後の、あの暗い時代と乱歩の世界観が融合して一種独特の雰囲気がつくられたのです。
大人になってから読む乱歩は…
…これまたひと味違った面白み、そしてエグさがあって良いのです。
乱歩のデビュー作の「二銭銅貨」や「ニ廃人」、「屋根裏の散歩者」も良いし、「鏡地獄」の倒錯具合いも凄い。
そして「人間椅子」
この作品を読んだときの衝撃は筆舌に尽くし難いものがあります。人間の陰鬱な情念が引き起こす恐怖が綴られているのです。
人間椅子を読んだ人には同意してもらえると思いますが、読んでない人は是非ご一読を。
幻影城
「幻影城」を知っていますか?
これは旧乱歩邸で、2階建ての書斎と書庫を兼ねた土蔵となっています。
その書庫には約2万冊があり、全て乱歩自らが集めた国内外のミステリィや古今東西の犯罪に関する本、幽霊や妖怪の本といった執筆資料が眠っているのです。
戦争と乱歩
乱歩は戦争の時代に生きました。第二次大戦はもちろんですが、1925年制定の天下の悪法・治安維持法にはじまり、1936年の226事件、1937年の日中戦争開始と国家総動員法制定に翻弄されることになります。
1939年には乱歩の作品「芋虫」が発禁処分になります。芋虫には戦争によって破滅した人物が描かれているからです。
1941年の太平総戦争開戦で、敵性語である英語の使用禁止と、適性文学としてミステリィも禁止になりました。
そしてついに乱歩の全作品が絶版処分になったのです。
今は表現の自由が保障されていますが、当時はあからさまな体制批判が無い乱歩の作品でさえ、全て絶版になる時代だったのです。
ひでぞうのまとめ
今回は江戸川乱歩の作品と生涯のホンの一部を紹介しました。
乱歩は70年の生涯で125作品を世に送り出し、1954年の江戸川乱歩賞設立で推理・社会派の松本清張をはじめ数多くの才能も世に送り出しました。
今でも多くのファンを持つ乱歩、そして少年時代に乱歩を読んでドキドキした多くの人のために、最後はこの言葉で締めたいと思います。
さらばだ。明智くん、また会おう!