いせさき明治館と旧時報鐘楼　明治～大正期の古き良き建造物を訪ねて

前回は知る人ぞ知る群馬県伊勢崎市・華蔵寺公園のお話しをしましたが、その帰りに更に知る人ぞ知るいせさき明治館と旧時報鐘楼(じほうしょうろう)に寄ってきました。

どちらも無料の施設ですが、レトロな文化施設が好きな人にはたまらないと思います。

昔は内科医院だった「いせさき明治館」

明治時代の建物って雰囲気がありながらも野暮ったくならず、現代でも充分通用する洒落た感じがありますよね。

正面から見るとこんな感じでシンメトリー(＝左右対称)です。

外から眺めるだけでも充分ですが、なかもどうぞ。
入場無料です。

外は洋風、なかは和風！

…と言っても玄関は「外」ですが、もう和風になってますね。

この鉢ひとつとっても趣きがあります。

基本的になかは和風ですが、診察室だった部屋は洋風です。

真っ白な漆喰にシンプルな照明…、こういう部屋に憧れます。

私が訪れたときは着物の展示をしていました。
ガイドさんに色々と説明をしてもらいましたが、どれも素晴らしい品のようです。

しかし着物よりも建物自体に興味があるので、ディティールが気になってしかたありません。

建物内は狭くて今の住宅から比べると小振りで質素ですが、その分良い材を使っていて、随所に工夫があります。

例えばこの組子細工(くみこざいく)ですが…、

接着剤や釘を使わず、このような木材で組み上げているそうです。

木材に少しでも歪みや長短があればうまく組み上がらないし、木材に狂いが無くても組み上げる技術がないと、これまたうまく組み上がりません。

この障子の横に走っている木、組子(くみこ)と言いますが…、

少し斜めになっています。これはほこりが溜りにくいための工夫だそうです。

いせさき明治館
群馬県伊勢崎市曲輪町31-4
アクセスマップなど／いせさき明治館／伊勢崎市

旧時報鐘楼

かつては時を知らせるためだけに、これだけ立派な建造物を造りました。それは現代の私達にとってはある種の驚きです。

角ばった重厚な造りですが、入口の屋根のアーチがホッとします。

小窓にはステンドグラスが…！

昔の建物は合理性の追求一辺倒ではなく、ちょっとした遊び心もあることに思い至ります。

しかし全体的にはどっしりとした造りです。

戦時中の金属回収で釣鐘部分を供出した歴史があるとのこと。

今は釣鐘の音が聞けないかも知れませんが、この解説板にあるようにレンガ張りの建造物は見る者に落ち着きを与えます。

旧時報鐘楼
群馬県伊勢崎市曲輪町28-23
アクセスマップなど／旧時報鐘楼／伊勢崎市

ひでぞうのまとめ

今回はどちらも無料の文化施設をご紹介しました。
小規模でこれだけを目的にわざわざ出掛けるのはちょっと…、という施設、だけど実際に行って「良かった」と思える施設って全国にたくさんあるんだと思います。

お隣り埼玉県で言えば星溪園とか。

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丹念に情報収集したり、街歩きで偶然見つけたりと、まだまだ発見の余地がありそうなので楽しみです。

みなさんもそんな施設を自宅周辺から探してはいかがでしょうか？