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クールビズ「環境対策」に見る日本社会と日本文化

毎日暑い日が続きますね。しかし私は暑さに寛大です。真夏はその暑さを思いっ切り楽しむウザいヤツですが、それでもスーツにネクタイはキツイものがあります。幸いここ10年ほどクールビズのおかげでマシになりましたが。

さて今回はクールビズ「環境対策」に見る日本社会と日本文化と銘打って、日本社会にはびこるタテマエ文化をバッサリ斬りたいと思います!

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クールビズは「環境問題」

ウィキペディアによると…、

クール・ビズ(COOLBIZ)とは、日本で夏期に環境省が中心となって行われる環境対策などを目的とした衣服の軽装化キャンペーン、ないしはその方向にそった軽装のことを示す造語である。

クール・ビズ/ウィキペディア

…とあります。これは多くの人が知るところですが、もともとクールビズは環境対策として出てきた話だし、今でも環境対策が第一に打ち出されています。

「暑いから脱ぐ」は許されない

立派な社畜社会人たるもの、どんなに暑くてもスーツを脱いだりネクタイを外してはいけません。

だけど思わぬところから夏場のスーツやネクタイ不要論が出てきました。それが先ほどお話した環境対策です。これを聞いたときは小踊りしたものです。

ホンネ&体調 vs 文化&体裁

環境対策も大事ですが、ホンネとしては「夏場でもスーツにネクタイ、いい加減、これやめたい」ってのがあったはずです。

少なくとも私は環境対策より、慣習廃止としてのクールビズを歓迎しました。私の周りやネットでも、そういう声がたくさん聞かれました。

だって、夏場のスーツ・ネクタイは…、

単純に暑苦しいじゃん!

…って話だし。
しかし「暑いから脱ぐ」は許さない、この文化。暑けりゃ脱げばいいんです。でもなぜかそれはタブー(なんですよね、この国では。
まだガマンできる範囲ならいいんです(ホントは良くないけど)。だけど身体の調子が悪くなるような猛暑でも「文化だから」とか「体裁が悪いから」って謎理論が勝つ。

しかし毎年猛暑続きでガマンの限界ってことでクールビズが出てきた。でも「文化」や「体裁」はメチャクチャ大事だから「環境対策としての…」と言い訳しながら。

素直に「暑いからやめよう」と言わないんですよ、死んでも!
そこにこの国の文化の異常性と屈折を見てしまいます。

「お国」が言うなら大丈夫!?

しかし結果論としてはこのクールビズとその導入のしかたは本当に良かった。まず「国主導」が良かった。
なんせ「お国」より権威ある組織は他にありませんからね。その「お国」が「やれ」と言うんです、これはやりやすい!

国会議員や官僚がノーネクタイでTVに映るのを見て「本当にやっていいんだ」「自分だけやって恥かいたり叱られたりしないな」と。

ここまで「身の安全」が保障されて初めて「動ける」のです。もしクールビズで出社して、自分以外がスーツにネクタイだったとしても、まだ言い訳が立ちますからね。

国 vs 世間

それでもまだスーツにネクタイの人がいます。信念なのか宗教的儀式かは知りません。しかも彼は暑そうにしています。そんなに暑いなら脱げばいいのに、かたくなに脱ぎません。

おそらく彼のなかでは「ノーネクタイでは世間が許さない」とかいろいろあるんでしょうね。彼のなかの優先順位は国家という近代的組織より世間なのです。

しかしこれ、日本では往々にして起こることです。国の公式発表や法律より「右見て左見て周りを見回して」物ごとを決める。日本は1億3000万人の村社会ですからね。

ネクタイ業界、案の定の反応

またまたウィキペディアですが…、

当初、ネクタイ業界からは、売り上げの減少に繋がる、として批判の声が上がった。2010年、日本ネクタイ組合連合会は、環境大臣に、クールビズの廃止を陳情した。

クール・ビズ/ウィキペディア

…こんなこと言っちゃってたんですね。

リアルタイムでニュースを見た当時も呆れましたが、今見てもアホらしい話です。
確かに政府の方針でこんなの出されたらそりゃ慌てるかも知れません。だけど、どっちにしても「しなくていいならしないほうがいい物」のひとつです、ネクタイは。政府主導じゃなくても徐々に消え行く運命だと思います。

もちろんそうじゃない人もいます。ネクタイすることでシャンとする、気合いが入る、スーツを着ると3割増に見えるからデートはスーツで…、そんなことぐらい分かっています。

男性がスーツを着ると3割増に見えてしまう…/Yahoo!知恵袋

そういう人はスーツとネクタイで決めればいい。
また、そういう需要は確実にあるのですから、ネクタイ業界は「モテネクタイ」とか売り方に工夫の余地があると思うんですよね。

ひでぞうのまとめ

クールビズ自体は本当にありがたいし、毎年この時期になると心底良かったと思います。しかしその周辺事情が本当にイヤになるので記事にしました。

話は二転三転しましたが、なぜ「暑いから脱ぐ」とか「バカバカしいからオレはしない」と言えないのか?

今でもクールビズは「環境対策」が第一ですが、そういう「タテマエ」がないと動けない社会は窮屈なんですよね。
タテマエ=大人版言い訳ですからね!

そして日本の謎文化は奥が深いのです。その奥は誰も説明できない「モヤモヤ」と「空気」が支配しています。

今回は身近なスーツ・ネクタイの話でしたが、過去にはこの説明不可能な「モヤモヤ」と「空気」のおかげで戦争まで行きましたからね!

真夏にネクタイを外すようにタテマエも無くしたいものです!

 

 

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