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「生活のアウトソーシング化」と金銭依存の関係を考察してみる!
今回はここ数十年で進んだ「生活のアウトソーシング化」についてです。
かつて家庭でやっていたことも今や外注=アウトソーシングすることがほとんどです。
そうすることで私たちの生活はどう変わったのでしょうか?
もくじ
コンビニなんて無かった時代
今はどこにでもあるコンビニですが、かつてコンビニが無かった時代がありました。更に時代を遡ればスーパーもなく、あるのは八百屋か行商!という時代もありました。
しかし今はスーパーやコンビニはもちろんのこと、中食(なかしょく)もあれば料理の宅配サービスもあります。
それらのお店は24時間営業で正月休みもありません。
私たちはいつでもさまざまなサービスが受けられるのです。
こうなってくると全く料理をしない家庭も出てきます。更に言えば時間と手間をかけて家で料理をするより「買ったほうが安いし効率的」という考えも成り立ちます。そしてその考えは経済合理的には間違っていないどころか正しかったりします。
料理ばかりではなく、育児も介護も…
生活のアウトソーシング化は今や「人」にも及んでいます。
昔だって保育園や老人ホームはありましたが、しかし今ほど数が多くはなかったし家には家族の誰かしらがいるので子守りだって家庭でまかなえました。
しかし今は核家族&共働きの家庭がほとんどです。
こうなると保育園に頼るしかないし、私の子供の頃は珍しかった、いわゆる「鍵っ子」だって増えているに違いありません。
高度に発展した資本主義社会!
…ってのは普通、金融の世界を指して言いますが、私たちの身近な生活空間に対して言っても良いかと思います。今や身の回りのこと全てにお金が絡む時代ですからね。
大昔の話をすれば子供の遊びはコマや竹馬、女の子ならままごとやあやとりでした(どんだけ昔だよって話ですがw)。
兄弟が多ければ遊んだりケンカしたりで時間があっという間に過ぎたと思います。
しかし今はDSをはじめとするゲームが当たり前で中学生ならスマホを持ってる時代です。
こうやって何でもかんでもお金を払って遊んだりサービスを受けるようになりました。
毛細血管のごとく社会の隅々まで資本主義が行き届いた結果と言えます。
良くも悪くも個人主義が浸透した世の中
全てがカネ・カネ・カネな世の中に見えなくもありませんが、しかし良いことも増えました。
たとえば昭和の昔、上司の引っ越しに駆り出されることがあったようですが、今はそんなことが無くなりつつあります。
昔の引っ越しは友だち間やパワハラが及ぶ範囲で行われることが多かったわけですが、今は最初から業者に頼んで終わりです。
もちろん引っ越しに限らず、世の中のありとあらゆる物ごとが個人間の無料サービスから対業者の有料のサービスに移行したということです。
こうして良くも悪くも個人主義が進んだ世の中になりました。私はこの流れを歓迎しますが問題もあるのです。
生活のアウトソーシング化は金銭依存が進むぞ!
個人主義が進んだり生活のアウトソーシング化が進むこと、…それはより金銭への依存が進んだことと同じなのです。
経済的にゆとりがあるときは何ら問題ありません。なにしろほぼ全てのサービスがお金で買えるのですから。しかし経済的なゆとりが無くなったときにどうすんの?って話です。
昔は人に囲まれていたので何かあっても助けてもらえました。その分、自分も人を助ける必要がありますが、とにかくそういう相互扶助があったのです。
しかし現代は生活の全てがお金に集約されているので、お金が無くなったら危険な事この上ありません。
株取引の格言に「卵は一つのカゴに盛るな」ってのがあります。カゴを落としたら卵が全部割れるのでリスク分散しなさいという教えです。なので現代社会においても金銭だけに依存するのではなく、イザというときに頼れるものを適度に分散すべきなのです。
だけど「三丁目の夕日」の世界には戻れません。
程度の差こそあれ誰もが否応なくお金を中心とした世界に生きる時代になったのです…!
お金の価値が相対的に上がった世の中
今やひとりひとりがバラバラの個人になりました。だからみんなカネ・カネ・カネと言うのでしょう。だってそれしか頼るものがないのですから。
今は昔に比べてお金の価値が相対的に上がったのです。
昔は人間関係に価値が分散されていましたが、今は全ての価値がお金に集約されているのです。そしてこれからも更にそうなることでしょう。
今の若い世代は堅実だと言われます。
その理由として…、
- 年金制度が事実上崩壊している。
- 非正規雇用の増加。
- 少子化で先細り。
- IT化で人間の仕事が無くなりつつある。
- 発展途上国が追い上げてきた。
…などがあります(そりゃ堅実になるわ)。
しかし彼ら彼女らも気付かない隠れた理由として「全ての価値がお金に集約されてきた」こともあると思います。こうして言語化できなくても肌感覚でそのことを感じ取っているのかも知れません。
また、若い世代だけではなく先ほどの昭和の上司にしてもパワハラや押し付けができない雰囲気と個人主義の世の中になった分だけ、お金に頼る方向に行くはずです。これも本人が意識しなくてもそうなります。
こうしてますますお金が重要になってくるのです。
ネットが風穴を開けるかも
さっきからカネ・カネ・カネでゲンナリした人もいると思いますが、私もゲンナリしてきました。
でもネットが風穴を開ける可能性もあるのです。
ネットがなかったら僕の人生はもっと寂しくてみじめでつまらないものだっただろうと思う。今の僕の生活は収入も人間関係も暇潰しの娯楽も全てネット経由で得たものばかりだし、
(大幅に中略)
とりあえずここまで。「インターネットの恵みで生きる(後編)」では、ネット経由で面識のない人からいろんな物を貰った話などを書こうと思います。
確かこの人・phaさんはネットで知り合った人にごちそうしてもらったり、モノをタダでもらったりしていたはずです(後編が見当たりませんがorz)。
その他にも本を書いたりで現金収入もありますが、ネットでゆる~く人とつながり、ゆる~い善意をもらいながら生活することだってできてしまうのです。
もちろん人に好かれる能力が必要ですが、こう考えると少し気が楽になりますよね。
また、あまりに個人主義的な風潮に嫌気が差した人が共同生活や田舎暮らしを始めたりと、人とのつながりを求める動きもあるようです。
まとめ
…ということで今回の考察はいかがでしたか?
さて、この記事に既視感があるとしたら…、
外注化する家庭内サービス/世の中は流転する…!地方・都市、そして家族の変遷史 その2
…この記事が原因です。
ここでお話ししたことと多少重複しましたが、少し違う角度から記事にしてみたかったのです。
私の関心事である貨幣論や世の中のうねりのようなものが少しでもみなさんに伝わったとしたら嬉しい限りです。
- 世の中の発展で便利になったのと同時に、個々人が経済合理性も鋭く追求する時代になったぞ!
- 核家族化と共働きで、さまざまな物ごとを「買う」時代になったぞ!
- 個人主義が浸透して、煩わしい人間関係から開放されたぞ!
- だけど生活のアウトソーシング化は金銭依存が進むから、注意が必要だぞ!
- 今は全ての価値がお金に集約されている時代。昔よりお金の価値が相対的に上がっているぞ!
- だから何かしらのセーフティーネットが必要だけど、それは各自で考える他にないぞ!
- ネットのゆる~い善意に頼ってみるのも手かも知れないぞ!